Diorの軌跡をたどる展覧会『エスプリ ディオール ディオールの世界』。
ムッシュ.ディオールがメゾンを始めた時からの貴重な資料が並ぶなかで、特にクチュールの展示は70点あまりと点数も多く圧巻だった。
上の写真は1947年ディオールがメゾンのデビュー翌年に発表した「ニュールック」。
資料として写真で見ることはあっても、本物のドレスを見るのは初めてで、洗練された美しさに魅了された。
ウエストが細く絞り込まれた女性らしいシルエット。
ムッシュ・ディオール(男性)がミューズ(女性)に捧げた服。
この「ニュールック」は大きな流行になり、映画では『ローマの休日』(1953年)のオードリーヘップバーン、『七年目の浮気』(1955年)のマリリンモンローも、ウエストを絞りスカートを大きく広げた、このスタイルだった。
広がったスカートは、第二次世界大戦から解き放たれ自由な喜びにあふれている感じ。一方で1960年代後半に起こる女性解放運動の兆しはまだ感じられない、男性の庇護のもとにある女性の服にも見えた。