2019年07月21日

「天気の子」

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雪や雨のシーンが美しい新海誠監督の新作「天気の子」
梅雨明け前に見てよかったと思うくらい、やっぱり雨が多かった。

代々木や新宿、池袋の雨、東海汽船の甲板にかかる荒波、親しい場所がどんどん目に入る。
その場所をスクリーンのなかに追ううち、不思議なことが起きてきた。
それはデジャブでもなく、追体験でもなく…
スクリーンのストーリーを追うのとは別に、描き出されたその場所でかつて起きた出来事を思い出しているのだ。
アタマの違う部分を2つ使って、いま流れるストーリーと、過去の私のストーリーを同時進行させる不思議な感覚。

見終わって、よかったナと思える映画だった。

posted by ラパンアジルblog at 22:30| 経験 | 更新情報をチェックする

2019年07月10日

紅露工房

自然体で自分の生き方を追求したい。
そんな気持ちで読みたい一冊「紅露工房シンフォニー」。
追求には、瞬発力ではなく持続力がものをいうということと、<実行して検証して修正かけて進む>ことが追求だということを、見せてくれていると思う。

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石垣昭子 (著), 山本眞人 (著) 2019年発刊

西表島(いりおもてじま)の紅露工房の石垣昭子さんと夫・石垣金星さんの暮らしは、一年を季節と共に暮らす、畑を作り植物を育て、芭蕉や蚕から糸を紡ぎ、天然素材から得た色で染め、布を織る、着るものを作る。
この島の暮らしには、都市生活の騒がしい雑音がない代わりに、季節の手仕事がたっぷりとあるから、瞬く間に一年一年が過ぎるのではないか。
といって、追われるのではない、感じて考えて味わう時間が季節ごとに巡るのだろう。

生活と理想、仕事と楽しみ、それは相いれないと諦めないで、相いれるものかもと考えさせてくれる。

posted by ラパンアジルblog at 11:36| 経験 | 更新情報をチェックする

2019年07月05日

記憶

犬の散歩時に、公園や川縁で野鳥を観察している。
野鳥を意識するようになると、シジュウカラ、オナガやメジロ、スズメなど子供の頃に身近にいた鳥は、その鳴き声で居場所や動作の見当がつくことがあり、それがわかる自分の能力をすっかり忘れていたことに気がついた。

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古い記憶を呼び覚ますことに食べ物が関わることは、プルーストが書いている、『失われた時を求めて』のなかの<マドレーヌの味覚から鮮やかに蘇った記憶>が有名だが、個人的には聴覚の効果が大きいように感じていた。

聴覚が記憶を呼び覚ますことを記録した映画がある。

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ドキュメンタリー映画『パーソナルソング』(2014年)

映画『パーソナルソング』では、認知症の高齢者に好きな音楽をipodとイヤホンで聴いてもらう。
ただそれだけのこと、曲を聞いただけで、認知症者は眠っていた記憶を蘇らせ、感情を動かされ、歌ったり、体を揺すったり、踊りだす人もいる。声を出したり、語ったり、会話する人もいる。
音楽を聴いた認知症者の表情は急に目覚めたように明るくなり、感じることをそばにいる人と共有することもあるのだ。

これは大変な気づきだ。
<認知症者が「好きな曲」を「いい音」で聴く>ことが、認知症者の心を明るく開くということを、出来る限り多くの介護者や研究者に知ってもらいたいと思う。
posted by ラパンアジルblog at 18:05| 記憶 | 更新情報をチェックする