2013年01月09日

触ってわかること

触ってわかること -ユニバーサルミュージアムについて-

一般の人が「触ってわかる」という場合、手触りを指すのが普通。一方、視覚障害者が「触ってわかる」という場合のわかる範囲はより広くて深いだろう・・それは触った感触から考えたり、構築し直して考えたりするわかり方なのだと思う。
こう考えるようになったのは、ユニバーサルミュージアムの第一人者の広瀬浩二郎さんから話を聞いたのをきっかけに「ユニバーサルミュージアム」を楽しむようになったからだ。
「ユニバーサルミュージアム」では彫刻やオブジェなどいろいろな触ることができるものを展示して、触って楽しんでもらう企画を実施する。

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触ってわかるためには、「両手で静かに触る」を基本として、手のひらを使ったり、指先を使ったりして触ることだ・・目で見る場合には「パッと見てわかる」ということがあるが、触ってみるにはパッと触ってわかることは少ないので、両手で静かにゆっくり触ることになる。
一般の人が「触ってわかる」を実感するには、暗い部屋でアイマスクをして、他の人から渡された何かを触るのがいい。触っていると、だんだん形や大きさや質感や重さがわかってくる。詳しい形や構造もわかってくる。

さて、私は暗闇で手渡されたモノを触っているときに、そうか、「触ってわかる」は、石膏デッサンに近いことなのだ、と理解した。高校生時代に熱心に取り組んだデッサン・・美術室の石膏像に向かって、重心や傾きをみたり、長さや角度を測ったり・・部分を確かめ、その関係性を確かめ、時間をかけてモノを捉えようとした記憶が蘇った。

また、私は画家のデッサンが好きで・・チャンスがあれば大喜びで、ジョルジュ・スーラ、レンブラント・ファン・レイン、磯江毅のデッサンなどを見るのだが・・このような写実を極めたデッサンは写実を超えてしまい、まったくオリジナルな創造になる、ということを日頃、感じている。
丁寧に触りながら、感じたことを頭の中で構築していく「触ってわかる」過程での「想像」も、画家のデッサンのように、きっと「創造」に繋がるのだろうと感じている。

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*「触ってわかること」への理解は、ユニバーサルミュージアムの第一人者の広瀬浩二郎氏(国立民族学博物館 准教授)に教えていただいたことと、
2011年10月に国立民族学博物館で行われた公開シンポジウム「ユニバーサル・ミュージアムの理論と実践」のセッションから得たことと、
2012年3月に鳥山由子氏(日本視覚障害理科教育研究会会長・元筑波大学教授)が参加された「五感ラウンジ」のトークセッションで得たことを基礎としている。

2011/10/29-30 「ユニバーサル・ミュージアムの理論と実践」
http://www.minpaku.ac.jp/research/activity/news/rm/111029-30

2012/3/3 「五感ラウンジ」
http://www.5-lounge.com/

posted by ラパンアジルblog at 09:33 | TrackBack(0) | 視点 | 更新情報をチェックする

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