2019年07月05日

記憶

犬の散歩時に、公園や川縁で野鳥を観察している。
野鳥を意識するようになると、シジュウカラ、オナガやメジロ、スズメなど子供の頃に身近にいた鳥は、その鳴き声で居場所や動作の見当がつくことがあり、それがわかる自分の能力をすっかり忘れていたことに気がついた。

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古い記憶を呼び覚ますことに食べ物が関わることは、プルーストが書いている、『失われた時を求めて』のなかの<マドレーヌの味覚から鮮やかに蘇った記憶>が有名だが、個人的には聴覚の効果が大きいように感じていた。

聴覚が記憶を呼び覚ますことを記録した映画がある。

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ドキュメンタリー映画『パーソナルソング』(2014年)

映画『パーソナルソング』では、認知症の高齢者に好きな音楽をipodとイヤホンで聴いてもらう。
ただそれだけのこと、曲を聞いただけで、認知症者は眠っていた記憶を蘇らせ、感情を動かされ、歌ったり、体を揺すったり、踊りだす人もいる。声を出したり、語ったり、会話する人もいる。
音楽を聴いた認知症者の表情は急に目覚めたように明るくなり、感じることをそばにいる人と共有することもあるのだ。

これは大変な気づきだ。
<認知症者が「好きな曲」を「いい音」で聴く>ことが、認知症者の心を明るく開くということを、出来る限り多くの介護者や研究者に知ってもらいたいと思う。
posted by ラパンアジルblog at 18:05| 記憶 | 更新情報をチェックする