2012年03月29日

配慮力の高い言葉

50代後半にみえる女性が電車に乗ってきた。
ウォーキングシューズに杖を使っていて少し足が悪いみたい、と見ていた時、座っていた少年が立ち上がり「どうぞ」と席を譲った。
女性は「いいのよ、次に降りるから」と答えて、空いている手で吊革を握った。
あれぇ、どうなるこの展開?・・見ていると、少年はもう一度座席の方に戻って座った。
少年の前に女性は立っていた。なんとなく収まりのよくない立ち位置、それ以上の会話もなくて...

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少年は春に中学生になるくらいに見えた。もしかすると、ほんとうに4月から中学生で、数日前に小学校を卒業したばかり、卒業が嬉しくて、よそのおばさんに親切したい気分だったのかもしれない、親切をうまく受け取って貰えたら次の親切もやり易くなったのに、受け取ってもらえず残念だった、などと考えた。
女性はただ素直に返事しただけに見えた。
でも、勢いよく立ちあがった少年の行動に対して、「次に降りるから」じゃなく、「ひと駅だけど、座らせてね」と言ってくれたら良かったのに、と考える一方で、思いがけない親切に対して、自分だったらどんな言葉を返せるだろうか、と考えて、胸の中で「ありがとう。ひと駅だけど、座らせてね」とお礼の言葉を練習のように言ってみたりした。

でも、ひと駅の間に、女性もお礼の言葉を考えてくれたみたい。駅の手前で、少年の方へ小声で何か言って、女性は電車を降りていった。
よかった、女性がお礼の言葉を少年に伝えてくれて、受け取った少年がにっこり笑ってくれて。

気づき;
配慮のある「ありがとう」のひと言が、相手を勇気づけ、励ますことは確実。

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ラベル:人間観察
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2012年03月12日

お父さん、立派!

土曜日の電車の中で。ドア横に女性が座り、その隣に私、男性、男性と座っていて、その前に小学生女子、父、母、高校生女子の家族が立っていた。急行電車が出発し、駅と駅の間の出来事。

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ほとんど前触れなく、小学生女子(4年生位)が吐く様子を見せ、とっさに父親が両手に受けた。父は両手を広げたまま、女の子の吐きけを気にしつつ、「何か、」と小声で言い、母に顔を向けた。母はバッグを探っていた。間に合わないっ!
私がバッグからスーパー袋を広げて差し出すと、父は両手をその中に入れた。隣の女性がティッシュを何枚か引き出して渡した。隣の男性もティッシュを父に渡した。
父は「すみません」や「ありがとう」を言いながら、小学生にティッシュを渡し、自分も手を拭いた。まわりの人たちも自分の汚れを点検して拭ったりした。身の回りは拭って、それぞれティッシュを握りしめていると、父がそれを受け取り袋に入れ、袋を閉じ、足元に置こうとして、床の汚れに気付いた。このタイミングで母親がハンドタオルを出し、父に渡した。父は腰をかがめ、渡されたタオルで床を拭った。すると母は「そうじゃなく、アセ」と言った。
立ち上がった父の顔には汗が吹き出していた。よく見ると頭までぐっしょり濡れていた。
父は胸を探り、ポケットから名刺を出し、前に差し出して言った「洗濯代を、あとから洗濯代の相談をさせてもらいますので、連絡をください。」と。

あのとき、モタつく家族に対して「早く、なんとかしろ」と怒り出す人がいなかったのは、お父さんのチカラ。名刺を出された女性が「大丈夫です。お父さん!」と答えたのは、その奮闘を見ていたから。

父は、捨て身で汚物を受けとめ、片付け、周りを気遣い、その上、母と高校生女子の動きの鈍さや、小学生女子が「ごめんなさい」と言えないことにも気づいただろう。
お父さんの「汗」はそういう思いから噴き出したのではなかったか?
一方、母の配慮は、小学生の髪についた汚物や、父の汗に向いていた。

UDコーディネーターの視点で見ると、お父さんの配慮力は広く行き届いていた。
汗まみれで家族を守ったお父さん、立派でした。

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