2016年10月05日

AIA初シンポジウム

AIA:Affective Innovation Association
アフェクティブイノベーション協会のキックオフシンポジウムが10/4(火)19時から東京ミッドタウンにあるデザインハブで開催された。
AIA_kickoff_Symposium.pdf

椎塚感性工学研究所 AIA-youtubeのご案内
東京ミッドタウン・デザインハブにて、AIA「アフェクティブイノベーション協会」のキックオフシンポジウムが開催され、成功裏のうちに終了し、楽しく有意義な会としてのスタートを切りました。当日の様子は、「東京都未来区一丁目」から動画配信されていますのでご覧下さい。
https://www.youtube.com/embed/_LEw2KFcwD8


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2012年08月16日

クツヌギ石

日常生活のなかでの動作をやりやすくし、より快適な生活をするために、アフォーダンスを利用するとうまくいくことがある。

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アフォーダンス
アフォード(afford):〜ができる、〜を与えるの意味を持つ動詞からギブソンがつくった造語。アフォーダンス(affordance)は、事物をどう扱うかに関する事物の持つ物理的特徴、その特徴が示唆する意味のこと。

アフォーダンス理論は、知覚心理学者ジェームズ・ギブソンによって1960年代に完成された理論で、それまでの認知理論の<人が環境から受けた刺激を脳で処理して意味のある情報としている>という考えを否定し、<情報は環境そのものに存在している>とした革新的な理論で、その後の認知科学、人工知能論に大きな影響を与えてきている。
1988年に認知心理学者ドナルド・ノーマンが『誰のためのデザイン?──認知科学者のデザイン原論』のなかで、デザインの領域で利用されるアフォーダンスとして<モノに備わる、人が知覚できる行為の可能性>という意味で用いてから、この文脈でのアフォーダンスの利用が始まった。

環境にある意味の発見
たとえば「地面」は、土や岩や石などから構成されて、ここにあるが、人はそこに、歩けるとか、野菜を植えられるといった「意味」を発見する。
これを「椅子」に置き換えると、通常「座れる」アフォーダンスを与える椅子だが、玄関に置かれると<荷物を置く台>に、あるいは、風呂場に置かれると<脱いだ衣類を置く台>としての「意味」が発見され、あらたなアフォーダンスが現れる、というように。

意味を発見しやすい環境作り
「意味」を発見しやすい環境を作ることが、アフォーダンス利用ということになるのだが、具体的にはこんな方法で。
靴が散乱する玄関 ⇒ 靴の向きが揃う玄関
毎回「揃えてぬいで〜」と声掛けしないと揃わない玄関の靴たち。この玄関の利用者に声をかけないで、環境作りだけで、靴を揃えてぬいでもらう、という試みをアフォーダンスを利用してやってみることが出来る。
日本家屋の玄関や和風庭園の縁側の上がり口には平らな石が据えられる、この石は「沓脱石」と呼ばれ、場を美しく整えつつ、履き物をぬぐ場所はここだ、と示す効果がある。さらに、ここに向きを揃えた履き物が置かれていれば、ぬぎ方を示す効果も醸し出す。
この沓脱石をイメージするモノ(石でも板でもよいが、きちんと感のあるモノ)を設置して、向きを揃えた靴を置いておく。
すると、この玄関の利用者は、きちんと感のある石を認知 ⇒ 揃えられた靴を認知 ⇒ 揃っている靴の隣に靴をぬいでしまう、という一連の行為を、石のアフォーダンスが引き出してしまう。

余談
1979年に亡くなったギブソンの遺灰はコーネル大学構内に散灰されたが、その灰を撒いたあたりに植えられたという木を、発達心理学者エレノア・ギブソン夫人が示している写真を見たことがある。
それはごく自然な雰囲気の木で、記念樹らしさや墓っぽさは感じられなかった。
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2012年06月22日

子どもの視野

「よく見て!」と教わった遠い記憶・・見たつもりが見えていなくてケガしたこともある。

子供の視野と大人の視野
子供の視野が大人と違う、ということは、児童心理学者ステイナ・サンデルス(元ストックホルム大学児童心理研究所所長)が行った1960-61年の実験で明らかにされた。
それは、大人に比べて子どもの視野はとても狭いということで、大人は平行視野150度、垂直視野120度の視界が確保されているが、6歳児の視野では平行視野90度、垂直視野70度しかないというもの。
この視野の狭さのために、子どもには死角が多く、大人に見えているモノが見えていないことがあって、そのため交通事故などの危険性が高いこともわかっている。

チャイルドビジョン
子どもの視野が狭いとはどんな見え方なのか、大人が6歳児の視野を体験できる「チャイルドビジョン」という紙工作図面がある。これは、ステイナ・サンデルスの実験に基づいて、ペーパークラフト・デザイナーの寺田松雄さんが考案したメガネタイプのクラフトで、いまウェブ上の色々なサイトから設計図を入手できるようになっているので、それを作ってみた。

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今回ダウンロードはここから
チャイルドビジョンの設計図.pdf
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/shussan/nyuyoji/child_vision/files/childvision.pdf

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@チャイルドビジョンの設計図をプリント
Aボール紙に設計図を貼りつけ(設計図が動かないように両面テープで点々と貼りつけた)
Bカッターでカット
C折り線を折って組む
簡単にできた。

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チャイルドビジョン体験
覗いてみると、すぐ気がついたのが水平方向の視野の狭さ。
“横目で見ることはほぼできない”くらいの感覚になる。
さらに、垂直方向を意識すると、こりゃ〜狭い!というのが実感。
子どもは思いがけない所に頭をぶつけることがあるが、なるほど。
さらに、子どもはしばしばつまずくが、下方の視野も狭いのを実感して、つまずくのはこのためか、と感じる。

道路で歩く子供たちにどんな危険があるか、公園で遊ぶ子供にどんな危険があるか、といったことを洗い出す際にチャイルドビジョンはとても役に立つ。
そして、チャイルドビジョンを使う際には子供の身長の高さに合わせて見ることも重要だと感じた。


HONDA 歩行者としての子ども
http://www.honda.co.jp/safetyinfo/kyt/partner/partner3.html
東京都福祉保健局 東京都版チャイルドビジョン(幼児視界体験メガネ)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/shussan/nyuyoji/child_vision/index.html
特定非営利活動法人 日本こどもの安全教育総合研究所
http://www.kodomoanzen.org/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3/

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